狂犬病への不安

狂犬病への不安

私の仕事は毎日個人宅へ行きメール便をポストへ投函することです
いろんなお宅があるのですが、配達者が一番困るのは犬をポストの
近くの繋いであるお宅です。これにはさすがに頭の痛い話です。普通便なら
持ち戻れば問題はないのですが、日時指定の速達便ときたら、必ず即投函しなければならないのです。犬問題で投函できなくて、持ち戻りあとでお客様からの
苦情。こんな流れになったんではたまりません。結局あとでまた届けなければ
ならない手間が出来上がるわけです。ほんと、この悪循環には悩まされます。
それで私はあるお宅で繋いであるのならまだしも、ダックスフンドのはなしがい
のお宅に遭遇したのです。そりゃもうキャンキャンうるさく足の靴に向かって
やかましく吠えました。あんまりうるさかったんで、蹴っ飛ばすふりをしたら
それが間違いでした、更にヒートアップし、お家の方もいないようだったんですが、ダックスフンドだからと、油断していましたら、ついに足首のところに
カプッと噛みつかれたんです。犬は二匹いたのですが、もう一匹はだいじょうぶでした。小さい犬とはいえ、口の中には歯があるわけで、噛まれた時はちくっ
して、いやな痛みを感じました。なんで配達に行って、よそのお家の放しがい
の犬に自分が噛まれて痛い思いをしなくちゃならないんだ!とだんだんと
怒りがこみ上げてきたんです。この怒りをお家に方に話そうと思っても
不在なものですからどうしようもありません。そしてちょっと血が出ていたので
その時に、狂犬病というものが頭をよぎったんです。狂犬病と言えば、何年後かに発病するとか聞いていたので、ちょっと怖くもなりました。で、私は配達を終わらせて、家に帰り、そこの家の電話番号を調べて、かけました。「もしもし
私はお宅の犬にかまれたものですが、狂犬病の予防注射は打たれてますか?」ってきくと、「打ってますよ」と。まずひと安心でした。その後そこのお家の人は
黙ってるんですよ。普通なら一言謝罪するはずですが、なんと常識のないお宅かと思いました。